私はインガルスの総務部で管理職を務める者である。
2020年4月に日本で初めて緊急事態宣言が発令された。
新型コロナウイルス感染の拡大に伴い、極力外出を控え、外出する場合はマスクの着用、日用品の購入に必要なお店以外は全て休業要請、人との接触を最大限控えるための施策が多く出され、まさに緊急事態となった。
もちろん、ビジネスも例外ではない。
出社を極力控えるようにテレワークが推奨され、アポイントはWeb対話へと変化を強いられた。ハンコを押すためだけの出社事例が出てきたら電子契約が推奨され、官庁内の手続きまで見直されFAX廃止案まで浮かぶ程だ。
そもそも、まだFAXで情報共有が行われていたのかと、驚いた人も多くないだろう。
ハンコ議論の手前だったとはね。。。
なかなか変化を嫌う社会で、これほど短期間に、そして共通意識として変わらなければいけないという意思が働いて状況が変わった事例を私は記憶していない。
そして、多くの人たちも同じであろう。
何より驚くことは、変化が出来たということだ。
私たちは何度チャレンジしてきただろうか。
オリンピック開催に合わせて交通機関の混雑を避けるためのテレワークを推奨するも、結果よりプロセスを重視し、業務プロセスを対面で確認するマネージメントスタイルには合わず。
成果主義の人事評価が効率的かつ無駄を省き、社員一人一人の正確な評価が出来ると考え取り入れるも、個人が横断的に多数の仕事をシェアすることで組織的成果をあげてきた文化にはなじまず。
様々な理由を持って変化が出来なかった私たちが、テレワークを行うために業務改善を行い、成果に基づいて評価を行う人事評価へとシフトしてきた。
そして、シフト出来ない企業は変化に対応出来ない企業という評価をされるまでになった。
他にもメリットは出てきている。
インガルスの社員に実施したストレスチェックの評価は昨年から比べて、全ての数値が向上しており、全国平均よりも5%以上高く健康的な数値を表している。
これは、社内の組織体制改善や管理職者の管理努力ももちろん含まれているが、大きく数値が向上している部分が環境ストレスであることから、通勤によるストレスや職場ストレス(※インガルスの業務が客先常駐という特性から、常にお客様対応をしている職場環境が発生する)の軽減に繋がったテレワークの導入が大きな要因と言っても過言ではない。
もちろん、メリットばかりではない。
対面で話す文化の最大メリットである「雑談」が減ってしまった。
雑談は様々な副産物を生んでくれる。
気持ちの切り替え(リフレッシュ)、何気ない会話からのアイデア、対話で生まれる親近感(繋がり)など、決められたタイミング、決められた話題で話すだけでは得られない効果を発揮する機会が失われている。
皆さんはどう考えますか?
新型コロナウイルスは“何”を変えたのかと。
私は思う、「当たり前」という言葉の常識を変えてしまったと。
今までやってきた慣習が「当たり前」ではないことを知り、変わってしまった環境が常識へと変化する狭間にいることに驚いてもいるし、少し嬉しくも思っている。
通勤時間が長かったから、余計にそう思うのかもしれないが。。。
企業は変化していかなければ生き残れない。
しかし、組織は大きな変化が出ないように管理する体制であり、この関係性は非常に難しいが、この変化に対応出来なければ社会に選ばれない環境へとなってきている今、対面も通勤もハンコも雑談も・・・すべてを見直し変化せざるを得ない状況になったことは、変化の優先度が上がり、生き残るための考えと行動が自然発生する。
この自然発生をどう活かすかで、企業が大きく成長するというチャンスが目の前にあることにワクワクする。
個人も企業も昨日と同じ今日、今日のような明日が来ないことはわかった。
そして、世界的緊急事態が発生した場合でも、柔軟に適応して工夫できることも。
明日がどうなるかは誰もわからないが、明日をどう迎えるかは決められる。
変化を恐れず、変化する環境をポジティブに捉え、変化させる行動を少しだけ初めてみることの大切さを改めて知れた1年でした。
そろそろ、猫を飼いたいと思います。
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