この時期になるとしんどいのが「花粉症」かと思います。
私自身も毎年、花粉症に悩まされ、春は薬を飲んで過ごしています。
そんな悪いイメージしかない花粉症ですが、意外なメリットがあるということで、それについて今回は書きたいと思います。
そもそも、戦後の木材不足の時期にスギやヒノキの造林が進みましたが、木材の輸入自由化などによって国内の林業は衰退。伐採されず放置された森林から大量の花粉が飛散し、多数の国民が苦しんでいる状況です。国土7割が森林でその18%がスギ、10%がヒノキの日本。その状況を作り出したのは日本人なのでなんとも残念な事態です。
デメリットばかりに見える「花粉症」ですが意外なメリットがあるようで、それが「がんの死亡率半減」です。
花粉症をもつ人は、アレルギー症状のない人と比べて、すい臓ガン、大腸ガン、食道ガン、胃ガン、口腔ガン、子宮体ガン、脳腫瘍などの発症リスクが低下するようです。
2015年9月には東京大学の研究チームが、全てのがん死亡リスクと花粉症の関係性を調べた報告を発表し、群馬県内の40〜69歳の男女8796年を追跡し、がんを含む膳疾患の死亡リスクと花粉症の関連性を調べましたところ、花粉症の人は全疾患の死亡リスクが、43%も低く、がんにおいては52%も低かったそうです。
がんとアレルギー、それぞれ性質が異なりますが、2つの病気の発症メカニズムはどちらも「免疫システムの不調」が大きく影響しているようです。
がんの発症メカニズムとしては、細胞のミスコピーが原因で起こります。人間の体は、常に細胞が新陳代謝を行い、新しい細胞に生まれ変わっています。新しい細胞を作るときには、遺伝子情報に基づいで作られますが、この遺伝子がコピー段階で、ミスコピーされたものががん細胞になります。ミスコピーされた細胞は自分の免疫システムが見つけると異物として判断され、そのまま排除されます。しかし、そこで体内に一つでも残ってしまうと免疫機能が低下し、がん細胞が増殖してがんとして発見されます。
また、アレルギー症状は免疫機能が過敏な状態になると起こります。花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状じゃ自己免疫疾患と呼ばれるもので、自分の免疫システムが自分自身を攻撃してしまって機能低下を起こしてしまうのが主なメカニズムとなります。こちらについても完全に解明されていないようで、花粉症などの自己免疫疾患は治療が難しい場合もあるそうです。
花粉症が、がんを防ぐ理由は十分に解明されていませんが、アレルギー症状を持つ人はがんに対する「免疫監視機構」が強化されている可能性があります。
人間の体内では、年齢とともに遺伝子に傷が積み重なり、毎日たくさんのがん細胞が発生しています。しかし、免疫細胞が常にがん細胞を監視し、増幅を防いでくれています。
花粉症患者の過敏な免疫はがん細胞にも敏感に反応し、殺傷力が高まっており、がんの発症リスクを下げてくれているのかもしれないそうです。
自分の気づかないところで花粉症のおかげでがんのリスクを下げていると、考えると確かにしんどい花粉症ですが、メリットが1つでもあると少し苦しみもやわらぐかもしれません。もしかしたら、花粉症の人が羨ましがられる時代がくる未来もあるのかも。
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Comments by ingalls_user1